改修工事で生産能力5000万円向上――松本商店の成功事例(前編)

 

松本商店
松本商店

広島県呉市で海苔製造業営む有限会社松本商店様に、
施工後のインタビューをさせていただきました。

 

インタビューは前編・後編と続き、

前編では改修工事における施工のポイントや助成金の問題、

在庫の調整などについてお話を伺いました。

 

後編では、改修工事から約2年が経過した後の業績や採用についてのお話を伺うことができました。

 

現在工事を検討されている企業の皆さまの参考になればと思います。

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社長の思いをカタチに――
松本商店が選んだ施工業者の決め手

ーー改修工事のきっかけを教えて下さい。

松本社長:僕が今39歳なんですけど、40歳までに工場を綺麗にしたいという目標が20代の時からあって、助成金とかも含めてそういうタイミングが来たので、知り合いに話をしたら、ロッカク工務店を紹介していただきました。

ーーどうして40歳までにという目標ができたのでしょうか?

松本社長:建物が古かったということ と、若いうちにお金がかかる大きな改装はしたいと考えていたので。

ーー人生プランを考えていたんですね。

松本社長:ざっくりしたものはあって、その中の一つが改修工事でした。
ご縁もありましたし、予定より早く改修工事ができました。

ーー建物が古かったとおっしゃいましたが、具体的にどこが老朽化していたのでしょうか?

松本社長:もう、全て。
この団地自体が40何年経っていて、なかなか手を加えていなかったので綺麗にしたいと…。
パートさん達にも綺麗な建物で働いてもらいたいし、綺麗な工場の方が取引しやすいので。

ーー老朽化とおっしゃいましたが、前回の工事からどれくらい経って今回の工事になったのでしょうか?

松本社長:父親が、20年〜25年前にこの一部を増築して、それから全く手を加えていませんでした。
なのでそれ以来ですかね。

施工前

(改修工事前の工場)

ーー施工業者を決める際に、重視した点はどこでしたか?

松本社長:自分の思いが伝わることですね。

ーーこうやりたいというのは色々思っていたのでしょうか?

松本社長:そうですね。
前にやってもらったところが、ちょっと自分の思いとは違うものであったり、「こうした方がいいんじゃないか」とあちらの思いの方が強くて。
金額のこととかもあると思うのですが…。向こうのペースで進んでしまったのがちょっと残念だなと思ったのと、食品衛生の知識がある人に工事に入ってもらえたらと思っていました。

ーーロッカク工務店に依頼したのはなぜですか?

松本社長:近くの食品加工業者の方から仲介のプランナーさんを紹介してもらい、それから社長(弊社代表三川)を紹介していただきました。

ーー改修工事を行うにあたり、さきほど自分の思いが伝わるようにとおっしゃいましたが、具体的にはどんな要望を伝えましたか?

松本社長:海苔の加工をしているんですけど、食品加工の中でもジャンルによって特徴がありますよね。例えば湿度を下げる必要があるとか、熱が出ているところを囲うとか。そういった特徴をメインで相談していて、図面を書いてもらったり、修正してもらったりお願いしました。

ーー設計に関する提案など、松本商店様側は思いつかなかったところでロッカク工務店がご提案できたことはありますか?

(設計の提案をさせていただいた弊社の三川と目を合わせ…何かを察した様子の松本社長)

松本社長:(打ち合わせスペースの間仕切りを指して)
あっこれですよね?!

 

一同(笑)

 

松本社長:部屋を完全に区切ったらその部屋としてしか使えないんですけど、可動式で開けられるようになっていて、1部屋にもできるし、2部屋にもできるし。今日みたいにお客さんが来られる時は部屋を分けて使用する提案をしてもらいました。

ーー打ち合わせスペースの間仕切りの向こう側はどういうスペースなのでしょうか?

松本社長:向こうはパートさん達が休憩したりするところです。前は打ち合わせスペースがなく部屋が一つだったんですよ。
だから打ち合わせで話しをする時はパートさん達に休憩をずらしてもらっていて、ちょっと開けてくださいと言わないといけなかった。
このスペースができて、パートさん達にも負担をかけずに済んでいます。

スタッフルーム1
スタッフルーム2

(間仕切りをすることで、休憩スペースと打ち合わせスペース両方を確保できます。)

ーースタッフの人も働きやすくなっていいですね。

松本社長:ありがとうございます。

工場内の熱さ対策と機械のメンテナンスのしやすさを
省スペースで実現した、開閉式の間仕切り。

ーー工場内のことで、海苔を焼くベルトコンベアの周りで作業する人が熱かったり、機械の温度調整などが大変だったと思うのですが、解決策はありましたか?

松本社長:熱が出るところを囲ってもらって、なおかつ、それが開けたり閉めたりできて。
機械をメンテナンスする時には開けられるように提案してもらいました。

ーー松本社長としては、熱さやメンテナンスのしやすさをどこまで思い描いていたのでしょうか?
それともロッカク工務店がこれで行きましょう!という風に提案して進んだのでしょうか?

松本社長:機械を囲いたいっていうのはあったのですが、こういうのがありますよっていう提案はしてもらって、進みました。
一緒に同業種の工場に行った時も、海苔を焼くスペースを囲って熱が出るところを分けていて、それをモデルに考えてもらった感じですかね。

(広島市の海苔製造工場に見学させていただきました。
その工場では海苔を焼く機械をパーテーションで区切ることで熱さ対策を行なっており、参考にさせていただきました。
また松本商店様では機械を囲う間仕切りを開閉式にし、省スペースでも熱さ対策とメンテナンスのしやすさが叶う設計を提案しました。)

間仕切り1

(海苔焼き機械を囲う、開閉式の間仕切り。)

間仕切り2

(涼しい工場内に対し、間仕切り内は熱く、熱を遮断されています。)

改修工事の裏側
――工事計画と助成金サポートについて

ーー工期は2ヶ月間でしたがその間の売上など不安はありましたか?

松本社長:そうですね、加工が止まるということで、工事前に半製品を焼き、近くの倉庫を借りて加工していました。
ストックがなくなっても怖いですし、あまり過ぎても怖いなっていう…。
あと他にも委託加工するところを頼んでいたので、それでどうにか回すことができました。
(ストックの量は)前年のデータを見ながら計算して、1ヶ月半〜2ヶ月分ぐらいを在庫にして、半製品にして対応するっていう形で。

ーー改修工事を行う上で大変だったことはなんですか?

松本社長:在庫のこともですが、移設だったらできあがってそのまま移すことができるんですけど、うちの場合工事の前後に引っ越しの期間を設けないといけないので、いらない物を捨てたり、工場を空にして工事してもらって、工事前後に製造できない時間が出ることを考えながらストックしないといけないことですね。

倉庫

ーー打ち合わせが始まってから完成まで、構想期間が1年ほどかかっていると聞いていますが、ストックの調整なども考えるとなると、期間は1年間くらい必要だったっていうことですよね。

松本社長:そうですね、工事してもらったタイミングも工場が一番暇な時期を選ばないといけない。
繁忙期にしてしまうとパンクしてしまうし、追加の注文を受けられないため、一番売上が少ない時にタイミングを見て依頼したので。

ーー打ち合わせ開始も1年前の売り上げが落ち着いている時期に開始されたのでしょうか?

松本社長:それは、助成金とかの絡みがあって。工事から逆算してっていう形ではなくて、助成金の関係が終わって、採択されたところから業者を探して、(閑散期の工事を狙って)打ち合わせをしてきました。

ーー助成金の申請について、申請が大変だったということをお聞きしていますが、どのように大変でしたか?

松本社長:助成金をサポートしてくれる会社があって、その人との打ち合わせの中で、どうした方がいいか、どういう形でやっていくかというのを1週間に1回ぐらい、毎週打ち合わせしていたんですよ。それが大変でしたね。

ーーどれくらいの期間でしょうか?

松本社長:それこそ半年とか1年ぐらいかかると思うんですけど。半年ぐらいだったか…普通の業務プラスのその作業があって大変でした。

(松本商店様は業種変更手続き行い、助成金を申請することができました。松本社長もおっしゃっていましたが、申請手続きには多くの時間と労力がかかります。ロッカク工務店でも助成金の申請手続きを代行する体制が整ったのでぜひお任せください。)

松本商店の成功事例【後編】はこちら